こんにちは、風香りんです。
前回は、不妊治療における採卵周期の体験談をお話ししました。今回は、その続きとなる体外受精の後半戦、「移植周期」についてです。
採卵のような激しい痛みはありませんが、薬の管理や費用など、また別の苦労がありました。これからステップアップを考えている方の参考になるよう、私の体験を赤裸々にお話ししていきます。
この記事は前後編で構成される体外受精体験記の後編です。前編の採卵周期はこちらのリンクからどうぞ。麻酔有り無し両方を経験した私だからできる痛みの解説もありますし、もちろん当時かかった費用についても記載しています。

採卵周期後の「休憩周期」
私の場合は、採卵周期と移植周期を別々に行いました。これは、採卵のために卵巣に大きな負担をかけていたため、次の移植までに1周期「お休み」を挟んだ方が良いと医師に判断されたからです。
実際、採卵後には卵巣が腫れている状態が続いていました。この状態で移植を行っても成功する確率は下がってしまうため、無理せず休むことが大切だと言われました。
しかし、ただ休むだけでなく、生理不順の私は、次の移植をスムーズに進めるためにピルを服用して生理周期をコントロールしました。薬を飲むのは面倒でしたが、次のステップに進むための準備期間だと前向きに捉えていました。
移植周期の流れ(私の場合)
激痛の採卵を乗り越え、休憩周期を経て、いよいよ移植周期のスタートです。
私は4度移植を経験しましたが、採卵周期の約10回に比べて、通院回数は5〜6回とかなり少なく感じました。
通院スケジュール
1回目の通院で、ホルモンチェックの採血を行い、今周期の治療計画を立てます。この時に、「自然周期」にするか、「ホルモンコントロール周期(HRC)」にするかを医師と相談して決めました。
自然周期: 生理周期が安定している人向け
HRC: 私のように生理不順な人向け。4種類の薬を使い、ホルモンを徹底的に管理します。
HRCは、飲み薬、貼り薬、膣座薬など、多くの種類の薬を決められた時間に服用しなければなりません。特に貼り薬は48時間貼りっぱなしで、かゆみを感じることもありました。
卵胞の育ち具合を確認し、移植日を決定します。薬でホルモンをコントロールしているため、排卵のタイミングに合わせて正確に移植日を設定することができます。
採卵から5~6日間育てて凍結しておいた胚盤胞を解凍し、子宮内に戻します。処置は人工授精と似ていて、ほとんど痛みはありませんでした。モニターでカテーテルを通って子宮に着地する胚盤胞の様子を見ることができ、とても神秘的な体験でした。
移植から約9日後、採血によって妊娠判定を行います。
費用について
移植周期にかかる費用は、自然周期かHRCかによって大きく変わります。私は生理不順だったため、4回ともHRCで移植しました。
- 1回目: 約5万円
- 2回目: 約6万円(ヒアルロン酸培養液を使用)
- 3回目: 約6万円(ヒアルロン酸培養液を使用)
- 4回目: 約9万円(ヒアルロン酸培養液+SEET法を使用)
体外受精は、失敗するたびに費用のかかる先進医療のオプションを追加していくため、負担額が上がっていきます。しかし、自治体によっては「先進医療助成金」が出る場合もあるので、忘れずに申請しましょう。
まとめ
体外受精の移植周期は、採卵周期に比べて身体的な負担は少ないですが、薬の管理や費用の面で大変な部分もあります。しかし、移植の瞬間は、痛みも苦労も忘れてしまうほど感動的なものでした。
治療の末に自然妊娠という結果になったため、何とも言えない気持ちにはなりましたが、治療を経験したからこそ、新しい命の尊さをより深く感じることができました。
この体験が、今まさに不妊治療を頑張っている誰かの力になれば嬉しいです。