こんにちは、風香りんです。
今回は、私が体験した体外受精の治療から、特に負担の大きかった「採卵周期」の流れ、回数、費用、そして…
麻酔があるときと無い時の痛みの違い
についてお話しします。
タイミング法や人工授精とは異なり、体外受精は体力・心・時間・費用、そのすべてにおいて負担が重くなります。特に、麻酔なしで挑んだ採卵は、想像を絶する激痛でした。麻酔の有無を両方経験した私ならではの、正直な痛みレポートもご紹介します。
医療は患者さん一人ひとりに合わせて進められるものなので、すべての方に当てはまるわけではありませんが、これからステップアップを考えている方の参考になれば幸いです。
ちなみに体外受精の一つ前、人工授精の体験記はこちらです。
体外受精とは?
体外受精は、簡単に言うと、体の外で卵と精子を出会わせて受精させる治療法です。主な流れは以下の3つのステップになります。
- 採卵: 卵巣にある卵を体の外に取り出す
- 受精: 卵と精子を受精させる
- 移植: 受精卵を子宮に戻す
これまでのタイミング法や人工授精と比べると、体外受精は「採卵」と「移植」という、まるで手術のようなプロセスが加わります。また、採卵周期と移植周期を分ける場合もあり、時間も手間もお金もかかる、重い治療法なのです。
私の採卵周期の進め方
私の場合、採卵周期と移植周期は別々に行われました。これは、卵胞の発育を促す薬を使った結果、卵巣に負担がかかるため、同じ周期での移植は避けた方が良いと判断されたからです。
採卵周期の流れ
私は2周期分の採卵を経験しました。1周期あたり、採卵日を含めて4〜5回の通常の通院に加えて、注射のためだけに3〜4回通院しました。
ホルモンチェックの血液検査と、今周期の治療スケジュール(薬の服用方法、注射の回数、採卵日など)を医師と相談して決めました。
卵胞をたくさん育てるために、注射を3回ほど打つ必要がありました。自分で注射をするのが怖かったので、毎回クリニックに通って打ってもらっていました。通院での注射は自己注射よりも痛みが強いと聞きましたが、それでも自分で打つよりは安心でした。
再度クリニックを受診し、超音波検査で卵胞の発育具合を確認。この段階で発育が不十分だと、追加で注射を打つ指示が出ます。
卵胞が十分に育っていると確認できたら、いよいよ採卵日を決定します。採卵日の前日には、点鼻薬や絶食についての具体的な指示が出されるため、この日はいつもよりクリニックでの滞在時間が長くなりました。
採卵本番と麻酔について
採卵は、1回目は麻酔なしで、2回目は麻酔ありで経験しました。
結論から言うと、麻酔ありを強くおすすめします。
採卵は、膣から細い針を刺し、超音波で卵の位置を確認しながら、卵巣まで針を進めて卵を吸い取るという方法で行われます。
麻酔なしの採卵
先生は痛みを和らげようと配慮してくれましたが、激痛で声も出せず、ただただ泣いていました。針を刺すたびに身体が反射的にこわばってしまい、痛みはピークに。この痛みは採卵後も夜まで続き、仕事はもちろん、歩いて帰ることもままならないほどでした。
麻酔ありの採卵
手術台に上がった後、すぐに腕に点滴を刺され、麻酔薬が流されるとすぐに意識がなくなりました。次に目が覚めたときには、すべて終わっていました。
麻酔の影響でしばらくはふらつきましたが、採卵中のMAXの痛みがないだけで、精神的な負担は雲泥の差でした。麻酔が切れると痛みは残りますが、それでも麻酔なしで経験したあの地獄のような痛みに比べれば、はるかに楽でした。
かかった費用(※個人差あり!参考まで)
ここからは、私が実際に支払った採卵周期の費用をお伝えします。あくまで一例であり、症状や治療内容によって費用は大きく異なるため、参考としてご覧ください。
1度目の採卵周期(麻酔なし)+ お休み周期
約130,000円 内訳: 採卵5個、タイムラプス培養、胚の凍結保存、お休み周期を調整するためのピルなど。
2度目の採卵周期(麻酔あり)+ お休み周期
約170,000円 内訳: 採卵7個、麻酔あり、タイムラプス培養、胚の凍結保存、お休み周期を調整するためのピルなど。
麻酔費用は、保険診療の点数で換算すると、およそ2,000円ちょっとでした。
わずかな金額で、あの激痛を回避できるなら、絶対に麻酔を選ぶべきだと心から思います。
まとめ
採卵は、肉体的にも精神的にも本当に大変な治療です。ですが、その苦しみを乗り越えた先には、新しい命との出会いという希望があります。
次の記事では、いよいよ採卵で得られた受精卵を子宮に戻す「移植周期」についてお話しします。こちらもぜひご覧ください。